【ワードプレス】CocoonとSWELLの業務提携から「対価」問題を考える

WordPressの無料テーマとして有名な「Cocoon」と、有料テーマの「SWELL」が業務提携を始めました。
個人的に両方のユーザーなので(というかほぼこの2つしか使ったことがありません)、とても嬉しいニュースです!

ただし、業務提携の背後には「対価」の問題があると感じました。
WordPressそのものとは若干ずれますが、個人事業としての根深い問題が関わっていると思います。

目次

無料テーマと有料テーマの提携は初?

Twitterでこちらの発表を見たとき、驚きました。

WordPressのテーマが業務提携というだけでも耳慣れないのに、無料テーマと有料テーマが提携?

よくわからないけど、でもなんかいいことなんだろうな~、くらいにその場は感じたのでした。

無料テーマ運営の難しさ

Cocoonはわいひらさんが運営するワードプレスの無料テーマです。

当然ながら、無料ということは、このテーマのユーザーが増えても提供側には金銭的なメリットはありません。
トップページにある「特典機能について」のページ内で、無料テーマ運営についての宿命ともいえる負担感について書かれています。

公開当初のCocoon開発は、基本的にPHPを触れば良いだけなので、無料でも全く問題なく運営出来ていました。

ただ、2018年12月に正式採用されたブロックエディターの登場により状況は変わりました。

これまでの、WordPress機能のほかに、ブロックエディターに対応する必要が出てきたため、体感的に開発負担は3、4倍に跳ね上がりました。

https://wp-cocoon.com/cocoon-donation-privileges/

WordPress無料テーマで必ず名前が挙がるほど高機能なCocoon。
その裏で、無料だからこその負担があったのですね。

気持ちだけでは乗り越えられない問題がある

私もかつてプログラマーとして働いていたので、機能のアップデートにかかるコストについてはある程度想像ができます。

既存機能と問題なく連携できるか、更新することで新たなエラーが発生しないか…

新しい機能なので、何が正解かわかりません。
リリースしてからバグ(不具合)報告があれば胃の痛くなる思いです。

それを乗り越えるには、モチベーションももちろんですが、金銭的な問題も無視することはできません。
わいひらさんはご自身の体調不良もあり、プログラムを見るのも苦痛な時期があったそうです。
結局外注を頼むも、その費用が回収されることはありません。

そのような状況でもアップデートを続けてこられたのは、本当にありがたい限りです。
ただ、完全に開発者の善意に依存しているこの運用形態については検討の余地が大いにあります。

「ネットは無料が当たり前」と思っていませんか?

自戒を込めての質問ですが、「ネットは無料」と思っていませんか?

日本人は形のないサービスへの課金意識が低いと感じます。
もちろんそこに自分も含むわけですが…

正直、SWELLを購入した時も悩みに悩んで購入しました。

便利かもしれないけど、無料のものもあるのに
そんなにかける価値あるのかな?

こう思ってしまうのは私だけではない…と思っていますが、いかがでしょうか?

自分の時間や労力に対価をもらおう

しかしながら、無料であろうと有料であろうと、誰かがそれを作ったわけです。
誰かのエネルギーを使ってもらったから、そのサービス(商品)を使えるのです。

会社に属していれば、対価として給料が支払われます。
しかし個人で活動していたら、料金を設定しない限りは対価は得られません。
体力も財力も無尽蔵で有り余っているなら問題はないでしょうが、現実的にはどちらか(もしくは両方)が枯渇してしまう人がほとんどです。

どんなに素晴らしいサービスでも、短期間で終わってしまっては価値を発揮できません。
長く続けていくためにも、適正な価格は設定するべきです。

Cocoonは寄付で付加機能が利用できる

Cocoonでは【寄付特典機能】という制度を取り入れたそうです。
ただ、基本的にはこれまで無料だった機能は変わりなく無料で使えます。
今後追加される機能に、寄付をした人だけに発行されるコードを入力することで利用可能となるものが追加される予定です。

従来のユーザーとしてはありがたい限りですが、根本的な解決にはもっと踏み込んだ機能の差別化があってもいいのかなと感じました。
ユーザーの負担軽減を優先されたわいひらさんのご厚意には感謝しかありませんね。

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